戊辰150年の節目、会津の誇り未来へ 会津若松で歴史講演会

「会津藩は決して賊軍ではない」と語る中村さん

「会津に生まれたことを誇りに思った」「歴史を後世につなぐ意義を再確認できた」。

戊辰150年の節目に合わせた記念事業の幕開けとして28日に会津若松市で開かれた直木賞作家・中村彰彦さんの講演会には500人を超える聴衆が集まり、先人が忘れなかった”義の思い”を受け継ぎ、未来を目指すための決意を新たにした。「会津人が賊軍と考えている人は、ここにはいないはず」。中村さんの言葉に聴衆は大きくうなずいた。

中村さんの講演を終え、会津若松市の大橋寛一さん(81)は「会津藩の賊軍の汚名を必ず晴らさなくてはならない。もっと全国に発信してほしい」と言葉に力を込めた。

会津藩の悲劇の象徴でもある白虎隊士。同市の飯盛山にある自刃した隊士の墓守をしている飯盛尚子さん(45)は「今年は自刃した隊士の150年の節目でもある。白虎隊士の心情を察し、誇り高き会津藩士に思いを寄せてほしい」と語った。

同市の寺木利子さん(69)と平野美知子さん(68)は京都や徳島県鳴門市を訪れた際、「会津の人なら」と商品をサービスしてもらったり、施設の開館時間を早めてもらったことを口にし「京都守護職を務めたり、捕虜を人道的に扱ったり、会津の先人が積み重ねてきたことの素晴らしさを感じている」と語った。

歴史講演会は、同市の関係機関134団体でつくる同市戊辰150周年記念事業実行委員会などが節目の年のオープニングとして開催した。今後、鶴ケ城天守閣を多彩な光で彩るプロジェクションマッピングや白虎隊の史実を題材にした「オペラ白虎」の上演、鶴ケ城天守閣での戊辰戦争に絞った収蔵品展・企画展、歴史シンポジウムなど、多彩な行事が企画されている。

同日は海外への配信も想定し制作した特別映像の予告編も上映され、来場者は会津に息づく精神文化を感じ取った。

◆「維新再考」の特大紙面 関心高く福島民友新聞社ブースに列

会場に張り出された本紙連載「維新再考」の特大紙面に見入る来場者

会場には、福島民友新聞社が毎週月曜日付3面に連載している「維新再考」の特集紙面(号外)などが特大サイズで張り出されたほか、過去に掲載された紙面の保存版を並べ、来場者が持ち帰れるようにした。

維新再考は戊辰150年の節目に合わせて昨年5月からスタートした連載企画で、読者から多くの反響を得ている。福島民友新聞社が設けたブースには順番待ちの長い列ができ、節目の年に戊辰戦争への関心が高まっていることを示した。