会津武士や家族の生きざま表現 若松で「オペラ白虎」再演

平和や人間の尊厳、生などさまざまなメッセージを放つ「オペラ白虎」

集団自決した白虎隊の史実に基づき、生き残った飯沼貞吉の回想録の形で描かれる「オペラ白虎」が28、29の両日、会津若松市の會津風雅堂で上演された。会津の武士や家族の生きざまを示し、愛や平和などのメッセージも込められたオペラが来場者を魅了した。

市民有志らでつくる地域振興芸術委員会の主催。震災直後の2012(平成24)年が初演で、その年に上演された市民オペラの中で最も優秀な作品に贈られる佐川吉男音楽賞も受賞した。

戊辰150年に合わせた再演が決まり、貞吉役の藤田卓也さん、貞雄(貞吉から改名)役の高橋啓三さん(福島市出身)、西郷頼母役の黒田博さん、西郷千重子役の腰越満美さんと日本を代表するオペラ歌手が出演した。

会津若松市出身の佐藤正浩さんが指揮を務め、市民合唱団やNHK交響楽団の団員有志などで特別編成されたオーケストラが戊辰戦争の動乱や貞吉の心の葛藤を表現した。会場には貞吉の孫の飯沼一元さん(75)=東京都=の姿もあり、一元さんは「感激で涙が出てきた。オペラになったこと自体が驚きだが、生をテーマにした素晴らしいオペラに仕上がっていると感じた」と話した。