会津藩埋葬「真実」語る 郷土歴史家・野口信一さん

講演する野口さん

会津若松市の会津図書館は16日、同市の会津稽古堂で戊辰150年を記念した歴史講演会を開き、元同館長で郷土歴史家の野口信一さんが戊辰戦争について多角的に検証し「真実の姿を知るにはさまざまな史料を総合的に判断し、理解することが必要」と話した。

野口さんは昨年、会津藩戦死者の埋葬が禁止されていたとの通説に対して、新しく発見された史料から実際には埋葬が実行されたとの説を発表した。

講演では改めて会津藩戦死者の埋葬に関して解説したほか、斗南藩での藩士や家族らの過酷な生活はただ強いられた結果ではないと強調。藩庁を五戸(現青森県五戸町)から、より気象条件が厳しい田名部(同むつ市)に移転したのは、海に面した海産物の豊かな土地に着目し、貿易の重要性も認識していた山川浩らによる積極的な選択があったためと説明した。

また、藩士家族の女性が子どもとともに自刃したことに忠節の思想だけではなく、子どもの命まで奪い取ってしまう「人を鬼にする」戦いの本質があるとした。

「歴史に学ぶ意義は、過去の歴史を検証し、未来に生かすことにある。たたえるだけでなく、そこからいろいろなことを学び取ることが必要だ」と講演を締めくくった。