【維新再考・識者に聞く】御厨 貴さん(上・第1部) 「維新の三傑」失い大転換 

御厨貴さん=東京都・東大駒場リサーチセンター13号館で

幕末の政治的な闘争と戊辰戦争の悲劇を経て、「明治」という時代は始まった。ただ「明治維新」という近代化への変革は、その後も長い時間をかけ、多くの人々の苦闘によってなされていった。

政治学者の御厨貴さんが、明治10年以降の国会開設や憲法制定など、近代国家の柱である立憲政治の成立について語る。

明治10(1877)年ごろ「維新の三傑」大久保利通(薩摩藩出身)、木戸孝允(長州藩出身)、西郷隆盛(薩摩藩出身)が相次いで亡くなった。

西郷は、この国最後の士族反乱、西南戦争(1877年)を起こし亡くなり、木戸は議会制を入れようと言っていたが、同年病気で去った。

大久保はその翌年、二人の死を受け、今後10年というのが明治国家の礎を築く時期であると部下の地方の県令に話した後、紀尾井坂で暗殺された。明治政府は当時「有司専制」(一部政治家、官僚などの独裁的な政治)と言ったが、この政治に、ぽっかり穴があいてしまった。

ところが、この国は面白くて、その後に伊藤博文や山県有朋たちが現れる。これは薩長中心だが、大隈重信(肥前)なども加え連合政権として明治10年代はスタートした。

みくりや・たかし 東京都生まれ。東大法学部卒。ハーバード大客員研究員、東大教授などを経て、東大先端科学技術研究センター教授、東京都立大名誉教授、放送大学客員教授。専門は政治史、オーラル・ヒストリーなど。「日本の近代3 明治国家の完成」など 著書多数。66歳。

※「戊辰戦争」「明治維新」を新たな視点で問い直す長期大型連載「維新再考」は、引き続き福島民友新聞で毎週月曜日に掲載します。どうぞお読み下さい。